出羽三山

松例祭引綱

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真田延命院の引綱

手向の街を歩いていると、家々の軒下に飾られた綱が目に入ります。この「引綱」は、伝統行事である松例祭において、疫病や災厄を象徴する大松明(ツツガムシ)を引き、焼き払う神事に用いられたものです。古来より、引綱を軒下に飾ると、災厄を取り除き(火防)、幸福を招くものと信じられており、地域の人々にとって重要な存在となっています。

疫病退散し幸福を招く ~引綱の力~

松例祭の大松明引きは、疫病や病魔を象徴する大松明(ツツガムシ)を燃やし尽くすことで、一年の無病息災を願う、古くから伝わる神事です。その際に使われる引綱は、松明を引くための道具にとどまらず、人々の願いを乗せ、神々と人々を繋ぐ神聖な綱となります。
また、この神聖な作業は、代々地域の若者たちによって担われており、彼らにとって引綱を扱うことは、地域の伝統を継承する重要な役割を兼ねることになります。

*「松例祭の大松明引き」についてはこちらの記事もご覧ください。

綱のし

毎年元旦には、新しい引綱へと掛け替えられる「綱のし」が行われます。

令和6年の元旦、新しい引綱へ

令和6年の元旦 真田延命院ではかねてよりの願いが叶い、約40年ぶりに引綱が新しいものへと継がれました。

先代の引綱

真田延命院_松例祭引綱

先代の引綱

令和6年元旦に掛け替えた引綱

真田延命院_新引綱

新しい引綱

綱のしでは、特別な力を持つとされる引綱に、綱延(つなのべ)の家人が直接触れることは禁じられています。そのため、この神聖な作業は、代々地域の若者たちによって担われてきました。この度の綱のしにおいても、この伝統に則り、多くの人々の力を借りて、羽黒山の山頂より綱が運ばれ、伝統的な技法でその形を整えられ、祈りを捧げていただくことで、新しい引綱を迎えることができました。この様にして、昔ながらの技法を守りながら、新しい命を吹き込まれた引綱は、地域の魂をも宿していきます。

引綱が紡ぐ、受け継がれていくもの

地域の絆と伝統が息づく一連の過程は、世代を超えて受け継がれ、地域が一体となり、伝統文化を継承していくための大切な機会となっています。
引綱そのものが持つ歴史的な重みと、地域社会がこの伝統をどう維持し続けていくかが改めて問われる現代において、綱のしは、古来から続く知恵や信仰と未来への希望が凝縮された時間でもあります。この行事そのものが、時代を超えた「生きた文化」として、暮らしに深く根ざしているのです。

松例祭の情報

*外部サイト

 

出羽三山詣の宿 宿坊 真田延命院

*冬期間は雪のため宿泊施設はお休みになります

出羽三山詣の宿

宿坊 真田延命院

出羽三山を巡る行は
身体を通して
精神に優しく呼応します
古より受け継がれてきた教えにも
山々での歩みの中にも
日々の暮らしにはない
気づきがあります
ほんのひとときでも
出羽三山に身を置くことで
祖先や家族を想い
自分自身と向き合うことのできる
大切な時間となりますように

石段
羽黒山石段
石段
石段山頂鳥居
石段

詳しくは
こちら

sanadaenmeiin.jp

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